消えるタトゥーインク②の続きです。
タトゥーのレーザー除去に関して知識があまりない人達は、治療にかかる費用と時間の事を知ると唖然とします。

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「彼らは、入れるときと同じようにたった一回の施術で消せると思っているんですね。しかし、この新しいインクによりそれが可能になるんです」と、オルスター医師は言います。

FREEDOM-2のインクは、ポリメチルメタクリエート*という合成物質でできた小さな粒のなかに閉じ込められているため、除去が可能なのです。
*…主に外科用ののりで、人口関節などに多く使われている物質。

その構造がタトゥーの施術や見た目に影響は出ないとシュミッグ氏(FREEDOM-2の実行委員長)は言います。
「我々のインクの見た目・感触・効果などは従来のものと変わりません」

その構造により、レーザーを当てられた時にインクが分解すると言う訳です。
人体や動物に対する未発表の実験によると、FREEDOM-2のタトゥーインクは一度のレーザー治療により完全に除去する事が出来て、また 一般的に医師が使用するレーザー機器を使う事ができます。費用も10万円以下に抑える事が出来るとシュミッグ氏は予測します。

この新しいインク、一般的に販売されている物よりは少し割高になってしまいますが、刺青の費用は主に 施術者の時間と技術に関係して設定されているので大体5000円程度の割り増しで施すことができるといいます。

まずは黒一色のタトゥーインクしか販売しませんが、徐々に他の色も増やしていく予定です。また、分解性ポリマーから成る「期間限定タトゥー(時間が経つにつれ徐々に消えていくタトゥー)」の開発も進んでいます。

しかし、タトゥーの彫師達はこの「消せる芸術」の観念についてあまり積極的ではないと言えます。
皮膚科医のカプラン医師(レーザー除去を行っておりますがFREEDOM-2とは関連ありません)によると、彫師達はインクの色にうるさいし、よく混ざるのか耐久性はあるのかといった面を重要視するので下級品か高級品かは関係ないのです。

それに、除去に便利な要素がアーティスト達に影響力があるとは思えません。なぜなら、彼らは「消す」ということを意図していないからです。

フロリダを拠点とする刺青師同盟の会長、ジョンソン氏は言います。
「除去というのは我々の心配する事ではないからです。もし、誰かがお店に来て’タトゥーを入れたいが、後で消したくなるかもしれないと言うのであれば、最初から彫るのを止めることを勧めます」

ジョンソン氏によれば、刺青を彫るという事は、献身の意味もあるそうです。
もし「ソフィア永遠なれ」と男の二の腕に彫ってあるとしたら、彼のソフィアに対する感傷は刺青と同じように永遠であるのです。他の人がどう思おうと気にしないという意味の人生の決断をした上で、体に彫るわけですから。

ジョンソン氏は、この消えるタトゥーインクを使わないと言います。
「私にとってそれは、タトゥーアーティストというこの職を否定することになる。」

一方で、サンディエゴの彫師 ウィン氏はタトゥーコンベンションでこのインクの話を聞き関心を持ったそうです。
「これは色々な顧客を掴むのに興味深いと思いますね」とウィン氏。

「タトゥーが好きなのに、怖いと思っている人達が来るようになるかもしれませんから。」

訳:刺青除去・タトゥー・刺青を消す方法管理人


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